カサ・ミラ
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Casa Mila
別名”ラ・ペドレラ(石切場)”とも呼ばれる。波打つ曲線のファサードは地中海を、巨岩を思わせる造形はカタルーニャの聖地モンセラットをモチーフにしたもので、自然主義的作風であり、ガウディのもっとも完成されたスタイルが見てとれる。最上階にはエスパイ・ガウディ「Espai Gaudi」というガウディに関する美術館がある。
カサ・バトリョの完成後ガウディが依頼された建築がこのカサ・ミラだ。同じくグラシア通りに位置するミラ邸はバトリョ邸からわずか4棟離れた所に建てられた。
施主は実業家のペレ・ミラ・イ・カンプ。ガウディが手がけた最後の私邸で、1914年以後は一切の仕事を断ってサグラダ・ファミリア教会の建設に専念している。カサ・ミラの建設はグエル公園やコロニア・グエル教会と同時に進められた。カタルーニャ語で「石切場」を意味するペドレラの愛称で知られるカサ・ミラの完成当時は「スズメバチの巣」や「ミートパイ」と形容されたこともある。
この前代未聞とも言える建造物を目の当たりにしてバルセロナの市民はただ呆然とするしかなかったようだ。
多くの人が雲に覆われた山若しくは荒れ狂う海を連想するカサ・ミラだが、ガウディが大自然からインスピレーションを受けた事は確かだといえよう。
自然との調和を目指してその要素を作品に反映させたグエル公園とは逆にガウディはこのカサ・ミラで自然そのものを表すことに主題を置いた。